活動の趣旨
現在「民主主義の危機」がさまざまに語られる中、直近の諸問題を視野に入れつつも、民主主義が持つ価値と、民主主義それ自体がはらむ問題を、広義の「文化」との関係で考えようという研究会です。政治思想、政治理論的な研究のみならず、社会思想や近現代史なども含む射程の広い研究会を目指します。研究の内容や方向性としては、例として以下のようなポイントを含みます(それらに限られるものではありません)。
- 政治理論や政治思想研究で言及されることの少ない知識人(文学者、作家、歴史家、文明批評家、宗教思想家、等)が考え論じていた「民主主義」を検討し、民主主義(論)研究をより深めることに貢献する。
- 民主主義をいかに支え機能させるかに関わる、人間の行為の型・作法・癖、発想・エートス、あるいは「生き方」などを、実証が困難なものもあえて排除せず、広い意味での「文化」として捉え直す。
- 特定の支配的文化を批判し、崩していこうとする、政党政治や政治制度に還元できない民主主義のあり方を検討する。
- 社会構造やテクノロジーの変化の高度化・加速化に関する議論(伝統的な産業社会論やポスト産業社会論から、より現代的な議論まで)を再検討し、「いかなる社会における民主主義なのか」を考え直す。
等々です。選挙権の拡大という基本的民主化によって「民主主義の質」が問われるようになった近代欧米の議論から、現代的な多文化主義のありようまでを、議論の射程に収めます。また「文化」概念それ自体が、その多様性と多義性ゆえに論争的な性格を持つため、欧米で蓄積された分厚い議論を掘り起こすのみならず、非欧米の諸議論にも開かれた研究会にしたいと考えます。
主要分野・関連分野
https://www.jpsa-web.org/mypage/field/
- 主要分野
- 110 政治思想
- 関連分野
- 171 政治理論、190 政治社会論、195 政治文化論
2年間の活動方針
- 年に2回程度の研究会を開催(対面あるいはオンライン、またはハイブリッド)
- 1回の研究会で、2名程度の研究発表とそれへの質疑応答
- ゲストスピーカーを招へいする回も設ける
- 日本政治学会研究大会での分科会設置申請と研究報告を目指す
責任者連絡先
山田竜作(創価大学)
E-mail:ryusaku*soka.ac.jp(*を@に置き換えて下さい)
新規参加手続き
新規参加を希望される方は、本研究会の責任者宛にメールで以下の①~⑤の情報をお知らせください。①お名前、②ご所属、③日本政治学会会員であるかどうか、④主な研究テーマ、⑤メールアドレスなどのご連絡先。追ってご連絡をさしあげます。日本政治学会会員の方は自動的にメンバーになりますが、非会員の方は当研究会のメンバーで協議のうえ判断いたします。