2024年度第I号年報委員長 曽我謙悟
査読委員長 今井貴子
2024年度第1号(2024年6月刊行予定)のテーマは、「政策と政治」です。従来、政治学は、政治の帰結として政策が生み出されることに着目するとともに、政策課題によって政治のあり方が異なってくるといった双方向の関係に目を向けてきました。しかし近年は、社会学や経済学との分業のみならず、公共政策学の登場などもある中で、政治と政策の関係、より広くは政治と社会・経済との関係は、政治学において、やや関心が薄くなっているようにも思われます。
このことは、政治学に固有の中心的なテーマへの注力の結果でもあり、必ずしも消極的に捉えられるべきこととも言えません。しかし、そのことが社会・経済と政治との関係性を等閑視し、政治学の内閉性を高めていくのであれば、望ましいことではないでしょう。「私たちの社会や経済が抱える問題は、政治に原因があるのではないか」といった問いから背を向けるのでは、多くの人々が政治学に期待する役割を果たすことは難しいのではないでしょうか。
対象とする時代や国を問わず、国際関係から地方自治までさまざまなレベルでの分析を歓迎します。また、現代政治分析のみならず政治理論・思想や政治史など多様なアプローチからの投稿、経済学や社会学など隣接分野との共同研究の成果などをお待ちしています。投稿の締め切りは、2023年10月20日といたします。投稿原稿は、学会ウェブサイトに掲載されている投稿規程に則り、査読委員会の電子メールアドレス(submission[at]jpsa-web.org)宛にお送り下さい。