「地域統合」分科会

分野別研究会の趣旨

「地域統合」分科会では、EU統合を中心として、世界諸地域における地域統合の歴史・展開・理論の分析を進める。とくに次の三つの柱が、中心課題である。(1)「地域統合」にかかわる理論の精緻化。(2)「地域統合」にかかわる歴史研究。(3)「地域統合」が当該社会へと及ぼした影響にかかわる実証研究。今日、「地域統合」は、EUをモデルとしつつも、世界に様々な類似の統合体(ASEAN、NAFTA、AUなど)を生み出している。他方、各統合体は、各地域における独特の事情を抱えつつ、多様な発展を遂げつつある。これらの点から、「地域統合」分析は、国際政治学のテーマであると同時に、比較政治学の範疇としても位置づけられる。さらに、EUにおける、人の移動、移民・難民問題、新たな公共圏の創出は、「地域統合」にかかわる分析が、国際社会学のテーマとも重なっていることを示している。「地域統合」分科会では、このような問題関心から出発して、一方で、多様な分析テーマ(法、政治、経済、社会、外交、安全保障、民族問題、移民・難民問題、文化、社会規範など)に取り組むことを縦軸の課題とし、他方で、EU研究を中心としつつも、その他の世界各地における動態(アメリカ、ロシア、東アジア、日本、アフリカ、環太平洋、西バルカン、トルコなど)を包括的に分析することを横軸の課題とする。なお、EU研究において課題とされる分野は、①地域研究(ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スペイン、ベネルクス、東ヨーロッパ、北ヨーロッパなど)、②EU機構研究、③ユーロと金融分析、④EU市民権、⑤EUにおける公共圏、⑥トランスナショナルな地域協力、⑦テロ対策、⑧文化交流などである。これらの包括的な課題設定と、実証研究の積み重ねを通じて、「地域統合」分析の総合化が促進されるものと期待される。

主要分野・関連分野

主要分野
130 比較政治・地域研究
関連分野
122 ヨーロッパ政治史、131 アジア比較政治・地域研究、137 ヨーロッパ比較政治・地域研究、140 国際政治・国際関係論、143 国際政治史・外交史

主要な活動実績(過去2年)

 2020年、「地域統合」分科会は、6名の登壇同意者の協力を得て、日本政治学会研究大会(2020年度)での分科会(パネル)設置申請を行った。申請は分科会、「『地域統合の起源』を探る:1950年代の国際政治と冷戦」として採択された。2020年9月26日に研究大会で報告と討論が実施された。

 また、2021年、「地域統合」分科会は、7名の登壇同意者の協力を得て、日本政治学会研究大会(2021年度)での分科会(パネル)設置申請を行った。申請は分科会、「EU統合と「コロナ危機」:《統合・デモクラシー・権威主義》と政治の役割」として採択され、現在、2021年9月25~26日に開催予定(オンライン開催)のパネルに向けて、登壇者を中心に報告の準備が進められている。

責任者連絡先

松本佐保(日本大学国際関係学部)
E-mail:matsumoto.saho*nihon-u.ac.jp(*を@に置き換えて下さい)

新規参加手続き

「地域統合」分科会への新規参加を希望する方は、分科会責任者宛に、
(1)お名前、(2)ご所属、(3)日本政治学会会員であるかどうか、(4)ご連絡先(住所、電話、メールアドレス)をお伝えください。
なお、日本政治学会会員の方は、自動的に入会が承認され、非学会員の方は、「地域統合」分科会の参加メンバー1名以上の紹介によって、参加を承認いたします。