『年報政治学』2027年度第Ⅰ号特集論文公募のお知らせ

2027年度第I号年報委員長 詫摩佳代
査読委員長 砂原庸介

 2027年Ⅰ号(2027年6月刊行予定)のテーマは「危機に立たされる多国間主義?」です。
 本号のキーワードである「多国間主義(multila-teralism)」の定義については、ロバート・コヘインやジョン・G・ラギーなど多くの学者が考察してきましたが、それらを総括すると「多国間主義」とは、3 カ国以上の国による協力の取り決めで、個別国の利害や特定の状況における要請と関係無く、一般化された原則に基づきメンバーの行動を調整するものと定義できます。具体的には、国連やWTOのような国際機関、ASEANやEUなどの地域的組織、加えてG7などの準国際機関の取り組みが含まれることになります。
 これらの枠組みは現在、言うまでもなく、各国の自国第一主義、内向き志向の影響を受けて、財政難や規模縮小、機能不全を余儀なくされるなど、大変厳しい状況にあります。他方、政治的な対立とは関係なしに、異常気象、感染症、難民などのグローバル・イシューの深刻度は年々増しています。実際、多国間主義は衰退しているのではなく、時代に即したものに変容している、という指摘もあります。本号もそのような立場に立ち、多国間主義がこの危機の中で、いかにレジリエントたるべく模索、あるいは変容しているのかという点にフォーカスしたいと思います。
 本号では、こうした問題関心から多国間主義を分析した論考を募集いたします。特定の問題領域や国際枠組みにフォーカスした論考はもちろん、歴史的、思想的なアプローチからの論考も歓迎いたします。
 原稿の締め切りは 2026年9月20日となります。投稿原稿は学会のウェブサイトに掲載されている投稿規程に則り、『年報政治学』のオンライン投稿・査読システムよりご投稿ください。