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批判的政治学研究会

分野別研究会の趣旨

 20世紀末からの新自由主義批判、グローバル化批判、途上国との連帯や反戦平和の諸運動の登場と、2008年以後の経済危機と新自由主義的緊縮国家の形成の中で、各国の政治学界では批判的政治学が提起されている。アメリカ政治学会でのNew Political Science caucus、英国政治学会の「国家理論」「マルクス学派」特別部会、国際政治学会24回大会(イスタンブール、2016年7月予定)での共通テーマ「不平等の世界における政治学」、オルタナティヴな政治学講座の刊行(Trent, John and Micheal Stein (eds.)(2012), The World of Political Science : A Critical Overview of the Development of Political Studies around Globe 1990-2012 , Barbara Budrich, Germany)などである。より人間らしい社会の形成や進歩的な政治発展と結びついた、批判的な政治研究がいまほど求められている時はないだろう。日本の政治学をみると、かつて金原左門ほか編『講座 現代日本資本主義国家(全4巻)』(大月書店、1980年)等が公刊されたことがあったが、それは新自由主義の本格化以前であって、21世紀に入ってからは批判的政治学研究への動きがまだ弱いと言わざるを得ない。
 私たちは日本の政治学の中に批判的政治学を形成したいと考えている。個別の分野に拡散する傾向がある日本の政治学を、新自由主義批判などを共通のプラットフォームとして、いま一度、分野横断的に求心化するという意味では、この研究会は日本政治学のさらなる発展に資すると考えられる。
 その際、マルクスおよびいわゆるマルクス学派(グラムシ等)のテキストを再読・再発見しつつ、日本政治学にふさわしい批判的政治学を形成する研究アプローチを重視したい。またエコロジー、ジェンダー、エスニシティといった社会関係は資本主義的な政治と深く連鎖しており、途上国の低開発・貧困や世界的な戦争・平和の問題も資本主義的国際政治経済ぬきには考えられない。したがって、エコロジー・ジェンダー・エスニシティ・国際政治・平和学等からの研究アプローチも、批判的政治学という家族の大切な一員となる。
 批判的政治学は、それにふさわしい政治学方法論の探求から、自由・共同・平等を重視する政治思想や「主権国家」「市民」「民主主義」等をラディカルに再検討する政治理論、新自由主義的政治体制についての実証分析、さまざまな国・地域における新自由主義国家の形成と矛盾にかんする政治史研究、現代資本主義国家の行政機構と民主主義的自治的ガバナンスの研究、新自由主義・現代帝国主義批判の観点からする国際政治研究にいたるまで、幅広い研究分野から構成されることになるだろう。

責任者連絡先

責任者  進藤 兵 hshindo*tsuru.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

新規参加手続

当研究会にご参加を希望される方は、責任者または事務担当者にメールで、所属、職位、学会構成員かどうか、研究テーマ、連絡先をおしらせください。大学院生その他若手研究者の入会を歓迎します。追って、連絡をいたします。